縁起
「湊済寺縁起」(寛保二年戌三月記)の伝えるところによると、元和元年(1615)、総本山知恩院第三二世・雄譽霊巌上人が開山となって創建された。創建の由来は、慶長年間に、湊地方に疫病が流行して村民が全滅の危機に瀕したおりに、佐貫花香谷村善昌寺(現在の勝隆寺)の住職であった雄譽上人の、念仏感化と、祈祷を授かることによって、村民たちは悲境から救済された。上人は、ここに念仏弘道の道場を建立することを発願し、村民の田園の寄進によって、当寺は開創されるに至った。創建当初は、現在の上総湊駅附近の根本という所に建造された、山号の「根本山」はこれに当り、院号の「山王院」は、根本の境地にあった山王神社の名に由る。また、寺号は、当地「湊」の村民が「救済」されたことに因んで「湊済寺」と命名されたと伝えられている。
宗派について
阿弥陀仏の平等のお慈悲を信じ、「南無阿弥陀仏」とみ名を称えて、人格を高め、社会のためにつくし、明るい安らかな毎日を送り、お浄土に生まれることを願う信仰です。
本尊について
阿弥陀如来
阿弥陀さまは仏になる前に四十八願を立て、その願を完成して仏になられました。
その第十八番目に、「わが名を称えたならば、必ず阿弥陀仏の世界(極楽浄土)に生まれますよう」と誓願されました。
どんな者でも、「南無阿弥陀仏」と称えることで極楽浄土へ往生できるというのが阿弥陀さまのご利益です。
阿弥陀様の大いなる光明は、お念仏を申せば申すほど、今生においても、後生においても私たちを明るく照らし続け、お守りいただけるのです。